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本テキストの中心テーマ

「何を得るか」 より、「何を失うか」 を考える生き方。
それが真に得るべきものの発見につながる。オポチュニティ・コストが生徒の人生を変える。

私たちが日常生活の中で何気なく取っている行動は、どんな形であれ、「何々をしたい」という欲求から始まり、「では、どうする」という思案を経て、「こうしよう」という意思決定の結果として完結します。そして、ほとんどの場合、それ以上深く考えず次の行動に移っていきますので、自分が下した意思決定の結果「失ったものがある」ことなど深刻に考えたことなどありません。しかし、実際は失ったものがあるのです。
思案を経て意思決定がなされ一つの選択肢が採用されたということは、選ばれなかった「別の選択肢」もあったはずです。なぜ選ばれなかったのでしょう。それは、その選択肢が持っている価値(当人にとってのメリット)が劣っていたため、「その価値を犠牲にしてでも諦めがつく」と思われたからです。このように、「選択」とはそれぞれの選択肢の価値を比較・検討する本人の「判断と行動の問題」なのです。

今、私たちは候補として最後まで残っていながら結局は選ばれなかった方の選択肢について考えてみたいと思います。その選択肢を捨て去る前にもっと真剣に比較・検討していれば、もしかすると選択した方の価値よりもっと大きな価値が手に入ったかもしれません。そういう意識を持つことによって、「判断と行動の質」を高めていくことにつながります。実は、これが本テキストの全レッスンを通じて流れている基本テーマのひとつです。各レッスンで行う体験型実技演習(アクティビティ)は、その基本テーマを体験的に理解するための手段として設定されています。

選択が簡単な場合と違い、最後の最後まで「判断」がつかない究極の選択があります。簡単に諦めることができないほど選択はより難しくなります。つまり、選択がむずかしいのは互いの価値が拮抗しているからです。人は、究極の選択を迫られたこのような状況下では、それぞれの選択肢が持っている価値を簡単に諦めることができず、「何とかならないだろうか」という非常に深い思案を巡らせ、その過程で全く別の選択肢を生み出すことさえあるのです。
経済学では、「選択を行った時、選択しなかった方の価値が選択した方のコストとして発生し、それをオポチュニティ・コストという」と教えています。 しかし、表題を「人生は選択の連続である」としている本テキストの真の狙いは、オポチュニティ・コストの経済学上の解釈ではなく、選択に大きな影響を与えるものとして「オポチュニティ・コスト」そのものの存在を明らかにし、それに対する意識の喚起と工夫の行動を伴わせることにあります。 例え、選択肢がたった一つの場合であっても、例えば、何の意識もなくゲームをするだけの選択を行う生徒に対しても、「それでも、一方で失っているものがあること」・・・生徒たちに気づかせたいのはこの部分ではないかと思います。

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